三角

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの三角のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

再見
数学の天才のウィルだが、生まれに恵まれず虐待を行う里親の元に渡った末ハーバードの清掃員になっている。ある日難問を解いたことをきっかけにハーバード教授の数学者に見出されるが、ウィルは軽犯罪で検挙されており、保護観察期間として数学者の後ろ盾のもと精神鑑定、セラピーをこなさなくてはならない。はじめ彼を診療する医師たちは上から施すようにカウンセリングを行おうとしたり催眠をかけようとするが、ウィルは逆に揶揄い返してセラピーにならない。最後に出てきた精神学者はウィルから話を引き出そうとする。そのように数学者と精神学者が2人ががりでこのチンピラを上流社会で使命を果たす人間に更生しようと尽力する。あとはまあ北風と太陽みたいなもん。
数学者は一流企業の面接を斡旋し、ウィルを社会的に成熟させようとし、精神学者はカウンセリングでウィルの内的成熟を促す。
ウィルは自分の状況を卑下している故に他者と関係性が築けない。他者に開示できる自信のある自己がない。
数学者は一流企業のコミュニティに入りさえすればそれは解決すると考えているが、ウィルは面接を反故にし続ける。軍の背後にいる企業の暗号解読で高給を貰ったところで、知らないアメリカ兵士が海外の基地を破壊する、他人が沢山死ぬ、かつての戦地に工場を建てて現地の人間を労働させて石油を得たところで環境破壊に加担するなどごめんだという訳を語るウィル。利己的なアメリカのことを語るウィル。自分の才能を発揮したいという基本的欲求のないウィル。
結局ボストンを出た女を追ってカルフォルニアへ向かうウィル…社会で使命を果たす人間、人格が完成した社会人というものは、能力主義的価値観による肩書きや仕事ではなくひとりの他者と関係性を築くことによって果されるということだと思うが…精神学者が亡き妻との思い出をウィルに語り続けた影響で最後彼女を追うってことだと思うけど…

使いきれないほどの父の遺産でハーバードに通っていた女…彼女はまじめに勉強しているがそれだけで自分の才能を発揮したいという基本的欲求があるのか、社会で使命を果たす人間であるのかは問題ではないようである。
男の成熟の果てに女が待っていてくれると思うな…とシンプルにイヤ…数学者も精神学者も女学生を前にすると息するようにセクハラ発言をかますし…お前らは女の話をしないと会話もできんのか〜?一度目は大学の時に観て、これがアメリカってヤツかぁ〜…と思い(違和感はあったんでしょうね)そのまま受け入れる、みたいな感じだったけどもうそういうワケにはいきませんでした…でもアメリカ人だろうが日本人だろうが皆さん、20歳くらい年上の男性にお前は悪くないよ…と抱きしめてもらいさえすればいい話だった〜🥺になって疑問とか湧かないんだろうな…みたいな…
それと切って離せないように夫婦の信について語られるのこそ今真にこれがアメリカってヤツかぁ〜…と感じられる…圧倒的対幻想の絆を根拠に社会をやっていけという教示を感じる。自己幻想が補完されたらホモソーシャルの共同幻想に没入して戦争に加担するよりは対幻想を追及しようってことかァ〜??わかりません…
父親が呑んだくれだったのも、大人たちが外国と戦争してて自分にかまってくれなかったのも、虐待されたのもお前のせいじゃないよ、お前はたまたまアメリカに生まれただけだ…それはそうだろうが…
ハーバードの彼女とのデートの行き先が競犬場、ドッグレースだったこと覚えておきたい
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