アギゴン

闇の列車、光の旅のアギゴンのレビュー・感想・評価

闇の列車、光の旅(2009年製作の映画)
3.8
貧困に喘ぐメキシコが舞台。貧困故に本当の家族愛を知らずはぐれてしまった少年少女は、ギャング集団と化し、1つのファミリーを築きあげていた。
厳しい掟、暴力に耐えたものだけファミリーと認められる。貧困の若者が生きていくにはそれしか無い悲しい現実。
カスペルもまたその中で生きる少年だった。

一方貧困生活から逃れようと、父と叔父と3人でアメリカへ向かおうとしていた少女サイラは、不安と希望を胸に列車の屋根に乗り込む計画を立てる。

ある時カスペルは仲間との掟を破った事で、リーダー格のリルマゴに責められる。掟破りの原因は内緒で彼女をつくり、会っていた…それだけの事。リルマゴにその彼女をて褒めにされかけ、挙句の果て殺されてしまうも、逆らえず怒りを堪え抱えていた。それに加え掟破りの罰として、ある事を企てられカスペルは従うしかなかった。
それは移民達が乗り込む列車を襲い金品強奪をすることだった。
まだ幼い弟分の少年とリルマゴと三人で共謀し列車を襲った。そこに居合わせたのは、サイラ達。リルマゴはサイラを暴行しようとサイラをねじ伏せた。その姿に恋人を殺された事が重なり、カスペルは怒りが込み上げ、リルマゴを殺害してしまう。弟分も列車から下ろし、その日からカスペルは仲間たちの追ってからサイラと共に逃げる生活が始まる。

この間鑑賞した、「そしてひと粒のひかり」と言う、コロンビアの少女が麻薬の運び屋をする作品を思い出した。どちらも貧困が軸に描かれている。
年端もいかぬ少年少女達が生きるために選ばざる負えない闇の世界をリアルに描いた作品となっている。
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