竜平

サスペリアの竜平のレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
3.7
ドイツのとある名門バレエ学校に入学するニューヨーク出身の女の子がその場所にまつわる恐怖の出来事に見舞われていく、という話。

イタリアンホラーの巨匠と呼ばれるダリオ・アルジェントによる作品。前から気になっていてようやく初鑑賞。ホラーはホラーなんだけどミステリーの雰囲気もある気がする。不安感を煽るカットやら特徴的な人物やら出てきつつ、じわじわ感と共に一つまた一つと変なこと気味のわるいことが起きていく。で真相に近づくような事実も徐々に出てきつつ、待ち受けるものがいったいなんなのか、その興味でスルスルッと見れてしまう内容。いやしかし途中からの方向性に意表をつかれる人も多いんじゃないかな、俺もその口、もちろん詳細は記さないでおくけども。あと見ていて死亡フラグってのがやっぱり立つんだけど、そこからの死に方というのがなかなか予想し難いからおもしろい。予想の斜め上をいく感じ、盲目のピアニストなんかね、まさかのってゆー。

画面が真っ赤、真っ青、みたいな照明の使い方だったり、あと血の質感、ドロッとしててこれも真っ赤で、みたいな作り物っぽさだったり、時代を感じるけども印象的ってなシーンがとにかくたくさん。自分が生まれるずっと前の映画でもうこういった表現が為されてたことを今更ながら知る。当時からしてみたら鮮烈、そして衝撃以外の何物でもなかったんじゃないかな。そんなこんなで怖さはとくに感じなかったけども、いい具合のエグさとキモさで楽しめる一本。ちなみに今作から『インフェルノ』『サスペリア・テルザ 最後の魔女』と続く「魔女三部作」となってるらしい。三部作と言われたら、そりゃ見てみたくなるよねってゆー。

ちなみのちなみに、序盤も序盤のタクシーのシーンで運転手の背後に顔が写ってるってゆー、これ昔のテレビ番組「アンビリバボー」の心霊特集でもやってたやつで、俺も当時番組見てて怖ぇーーってなってたの思い出したんだけど、これじつは心霊でもなんでもなくアルジェントが意図的に差し込んだ演出だったんだとか。二十数年越しにようやく知った事実でしたチャンチャン。
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