三樹夫

サスペリアの三樹夫のレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.1
赤赤赤赤赤赤赤赤、液晶が壊れたのかと思うぐらいビビッドな赤が覆いつくす。ビジュアルに異様に凝っており、赤の他にも、緑、青、黄色も使われ、信号のような原色がもの凄い主張の強さで彩られ、現実ではない世界、まるで悪夢の中にいるかのような不条理な世界が構築され、徹頭徹尾サイケ感が漂う。またBGMを担当したゴブリンのサウンドも主張が強い。
ドイツのバレエ学校に入学したアメリカ人少女に次々と恐怖が襲い掛かるのだが、開始早々空港に降り立った瞬間から既に真っ赤と、これからの起こる恐怖と血の惨劇を予感させる。有名な少女の首吊りシーンは凄まじいまでのグルーヴ感があり、酩酊しそうなほどだ。特異な存在感を放つ映画であるが、胸に穴が開いて心臓がバクバクしてたり、喉をかっ切るシーンなど、こういうゲロゲログチョグチョ具合を観ているとイタリアホラーだなと思う。それぞれの要素が個性強すぎで自己主張強くて、強烈な原液をがぶ飲みしたかのような気分なる傑作だ。また撤収の早さが尋常じゃなく、怒涛の勢いで終わったのも印象深い。

来年公開のサスペリアリメイクに備えて見返したが、フェノミナのジェニファー・コネリーといい、ジェシカ・ハーパーすんごいキリリ眉毛。ダリオ・アルジェントはキリリ眉が好みなのか。
三樹夫

三樹夫