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恋人たちの失われた革命のmareのレビュー・感想・評価

恋人たちの失われた革命(2005年製作の映画)
4.0
終始アンニュイな美男美女、時折不意に放たれるピアノの旋律、静かなる社会反抗、彼は虚しく届かない声なき声を詩に乗せて革命をいつか起こせると信じている。モノクロームの中で浮き彫りになる冗長で退屈な日々を見ていると、新しいことを起こそうとする妄想から進展せず滑稽にすら思える。何となく何かを生み落とすが将来のビジョンは見えず、何となくの小さな幸せで腹は膨れ怠惰に癒しすら覚えてしまう一種の錯覚。しかしこうして失われていく時間は何にも替えられない可能性の種であり、いくらだってどんな方向にだって歩を進めることができたという空虚な現実だけが後味悪く残る。こんな世界のせいにしてしまいたい彼らの気持ちに深く同調してしまう。
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