このレビューはネタバレを含みます
いやいや、ぽんぽこなんて、とぼけたタイトルつけて
なかなか尖んがってますよ。
多摩ニュータウンて実在の住宅地開発、名指しちゃってますから・・
鈴木さんよくOKだしたな・・。
多摩丘陵で暮らしていた、たぬきたちが
多摩ニュータウンの開発を何とか阻止しようとあの手この手で七転八倒
するさまが延々、のんきにドタバタと描かれていきます。
前半から中盤はいささか退屈ですが
終盤になってキレキレ高畑節炸裂。
結局、開発を止めることはおろか、遅らせることもできないのです。
そりゃそうですよ。たぬきですから。
開発は滞りなく進み、たぬきの山里はなくなり
多数のたぬきは死に・・・
その後・・
人間に化けられるたぬきは人間社会に溶け込み。
わずかに残った公園の林で細々と暮らすたぬき。
他の地域に移動して、縄張り争いに負けるたぬき。
それぞれの道をたどってゆきます。
大きな時代のうねりは変えられず
死ぬやつもいれば、しぶとく生き残るやつもいる・・
ただそれだけ・・・と
人間社会も同じではないか・・と。
しかしだからといって悲観するのではなく
だからこそ、一度きりの人生精いっぱい楽しみなさい・・・
と言っている気がします。