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オール・アバウト・マイ・マザーの10000lyfhのレビュー・感想・評価

5.0
息子を交通事故で失ったシングルマザーが、18年ぶりに再会した旧友や新しい友人たちや新生児と、新たな人生を歩み出すまで。アラフォー(主人公は 38歳設定)な頃の人生のいろんな喜怒哀楽が詰まった映画。ほぼミドルショットのみで構成された、映像面ではてらいのない作りで、出来事やそれに向き合う人々の言葉や表情が、観る側の感情を直接的に揺さぶってくる。ラスト、HIV 感染して生まれるもウィルスが消えた新生児は、製作当時の HIV 治療への世界の希望を反映。そして、割とランダムに集まった 3人の中年女性たちが、その後の人生を共に生きてゆきそうな感じがとても素敵。エンドクレディットのベティデイヴィスとジーナローランズ(ロミーシュナイダーもだが本作中にレファレンスある?)への献辞に、女優たちへの敬意、『イヴの総て』『オープニングナイト』からの連綿と続く映画史の重み、映画愛を感じて胸熱。後期マイルス的ミュートトランペットをフィーチャーした控えめなフュージョンが、さりげなく映画にぴったり
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