ゆーさく

太陽の帝国のゆーさくのレビュー・感想・評価

太陽の帝国(1987年製作の映画)
3.5
子供が主役の映画って、少なからず子役の可愛さ、愛らしさ、みたいなのをウリにするもんやと思うんだけど、この映画の主人公の子役ときたら全然可愛くねえ❗

やっぱり、スピルバーグの選ぶ子役って僕は好きになれないな!

妙に演技が器用。
っていうか子役なのに貫禄出てしまってる!

そんな、子役時代のクリスチャン・ベールのデビュー作がこれ。



第二次世界大戦下、日本軍の収容所にぶちこまれたイギリス人少年ジムが、苛烈な状況の中、甘ったれボンボンからたくましく成長していく姿を描く。


反戦映画ではあるんだろうけど、一面的な描き方に終わらないのが、この映画のエエところ。


戦争は悲惨で許しがたいものとして描きながら、戦場を飛ぶ戦闘機の美しさも同時に描いていたり、

作中たくましく成長していくジムだけど、その成長のためにラストシーンの彼には以前のような無邪気さが失われていたり、

親切にしてくれたおばさんが亡くなった時、遠くの空が光って、まるでおばさんの魂が昇っていくみたいで綺麗だった、とジムは思ったのだけど、その光が実は長崎に落ちた原爆の光だったり、


物事の良い面、悪い面ってのはごちゃ混ぜに存在していて、綺麗に分けることは出来ない、って表現が、何だかとてもリアリティがあって、グッと来た。


ただ、ジムと心を通わせる日本軍の少年の顛末がちょい間抜けっていうか、もっとやりようがあったろ!という気がせんでもない。
日本刀でマンゴーを切るのはやめよう。
ゆーさく

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