ハンディキャップを抱える者同士の恋というモチーフだけで終わらせないもっと人の心を掻き立てるような出来事や、綺麗事ですまさない人間のプリミティブな部分まで隠すことなく表現することでみえる生きることの複雑さと愛おしさよ。
外で牛乳飲みながら豆腐食べてたり、光の反射や影を使った演出のよさも素晴らしい。
何も分からないまま、全体のより良い生活の為に犠牲になる二人。あまりにも利己的でシステマティックな渇ききった世界のなかで彼らにだけの心の休まるうるおう場所は確かにあったのに幻のように消えてしまう。
2人が2人を取り巻く世界を理解できないように（あるいはわかっていても影響を及ぼせない）彼らの周りの世界は2人の世界が見えていないことのもどかしさややるせ無さに目を向けるにはどうすればいいんだろう…
