精神障害者と身体障害者の恋の物語。
主人公は将軍・ジョンドゥと姫・コンジュ。
この2人の関係を知る人はおらず、その上、2人は関係について喋ることもできない。
健常者の偏見から生まれる「あんな子をよくもまぁ…」を2人は否定する事ができないのだ。
はじめ、自分の幸せを維持するためには、周りにもそれを認知してもらう必要があるんだな…と思った。
だけど、もしかしたらこれも一つの幸せの形なのかもしれない。
2人の関係を誰も知ることがないのは言い換えれば、2人の愛に他の誰も介在しないわけで、そこには他人の目なんてものがないということだから。
それに、他人の目を気にするという行為は人の幸せを阻んでくるものが殆どだ。
僕は今作の2人こそ最も純粋な幸せ者であったと思えてならない。
オアシスは教えてくれた、その絵画に映る木の影が、実は必要ではなかったということを。