kurage

草の上の昼食のkurageのレビュー・感想・評価

草の上の昼食(1959年製作の映画)
-
欧州統合国の初代大統領選候補のアレクシ博士は優秀な人材確保のために人工授精での子作りを推奨している。婚約者のマリー・シャルロットとは契約的な関係性でしかない(ように感じた)。
そこに、パートナーは不要だから優秀な遺伝子をもらって子どもを産みたいと望む田舎娘、ネネットが博士に頼みにやってくる。けれども、彼女はお手伝いさんとして働くことでしか彼に近づくチャンスはない。
マネ「草上の昼食」を彷彿させる湖畔でのピクニック、羊飼いの老人ガスパーの笛の音で強風が吹き、そこにいた誰もが風にまかれて自然の力で?博士とネネットは出会う事になる。そして、ポスターの水浴びのシーンに繋がっていく。
「幸せとは自然の理に従うこと」
ネネットに出会ったあと、博士がしれっと自説をひっくり返すところはさらりとしながら罪深いセリフだ。なんたって大統領候補だし。

意味不明なシーンも数々あり、たまに物語の世界から離脱したりしてしまったが、ラストの痛快さですっきり解消。ラストのために捧げられたシーンの数々に観てきた時間が救われた思い。ルノワールさん、ごめんなさい。絵画的な自然描写に目が喜んでしまうので、追々他の作品も観よう。例えば『ピクニック』とか。
kurage

kurage