最後はしっかりハッピーエンド、安心して見れる良作の1本。
ジョー・ペシがもう最高、いつものマフィア役とはうって変わって『ホーム・アローン』のようなコミカルな演技。
中年過ぎて司法試験にようやく受かって初の法廷。だが毎度、法廷侮辱罪で牢にブチ込まれるというw
マリサ・トメイがまたかわいい。これでオスカー獲りました。衣裳に注目。毎回服装が違っていて楽しめる。
軽い法廷もの。おなじみの陪審制度。事件は南部アラバマ州の町で起きる。陪審員からも保守的な雰囲気が伝わってくる。
トウモロコシ料理のグリッツ、ゆで時間にあなたどれくらいかかるの?
本当に窓の外まで見えるの、あなたの視力は? なんて質問で検察側の証人に斬り込んでいく。
どもりの国選弁護人をクビにするところがおかしいが、なんといっても白眉はマリサ・トメイの車オタクぶり。絶妙なタイミングでその知識を披露する。ちょっとたたみかけるようなセリフがすごかった。
>シボレーの正確な点火時期のクランク角は?
327エンジンは55年にはなかった 発表は62年。「4バレル」は64年に搭載された。だけど'64年型でのイグニッション・タイミングは上死点前4度よ。
本題 写真をよく見て
>私の反証は正しいですか?
いいえ
このタイヤの跡は'64年型スカイラークじゃない。これは'63年型ポンティアック テンペストよ。
この写真の車はポジトラクション機構つきよ。でないと跡が違うわ。でも'64年型スカイラークにその機構はない。
>ポジトラクションとは?
左右タイヤの駆動力を同一にする「リミテッド・スリップ・デフ」よ。でもスカイラークは「レギュラー・デフ」
だからぬかるみでアクセルを踏んでも空回りして抜けられない
まだよ。写真の左輪は縁石に乗り上げ右輪はフラットのまま。でもスカイラークは車軸式懸架で左輪が縁石に乗ると右輪もつられてブレる。でも写真は違う。タイヤ跡はフラット、つまり独立懸架の車よ。60年代のアメリカではたった2車種しかポジトラクション機構で独立懸架の車はない。まずコルベット、姿はスカイラークと大違い。でも、もう一つは長さ 車高 車幅 重量も同じ。しかもホイール・ベースも同一 それは'63年型テンペストよ。
最後にどういたしましてって手を台の上にチョコンってやる仕草がとってもキュート。
意外な証人の持前の知識で反証を行っていく展開。ミステリー好きも唸らせる。
もちろんビニーにも才能はあったんだよ。物事を見抜いてしまう目、インチキ不正にすぐに気がついてしまう。
町のチンピラが200ドルを用意出来なかったので、丸めてガワだけ20ドルで巻いてっていう小細工を遠目なのにすぐ見破る。そんなワルゆえのまさにストリートワイズなところがあった。これ大事よね。
出演は他にラルフ・マッチオ。彼この時31歳、大学生役だがもういいおっさんだったんだな。
厳格な判事役にフレッド・グウィン。『波止場』でデビューの名優。惜しくも今作が遺作でした。
保安官役にブルース・マッギル。『コラテラル』に捜査官役で出ていた。
⇒エンディング曲 Travis Tritt 「Bible Belt」 これぞサザン・ロック!
⇒The defense is wrong で検索、名場面よ