レオピン

スピードのレオピンのレビュー・感想・評価

スピード(1994年製作の映画)
3.8
隊長!道路が未完成です
なんだとおおー

懐かしい94年かぁ 土曜深夜のシネマ通信で冒頭のステディカムでグルッと撮る所のメイキング映像を紹介していたのがつい昨日のことのようだ。Gショックにネルシャツ、精悍なキアヌのGIカット ちなみにアイドルのスピードも同じ頃に結成。

序盤のエレベーターシーンが意外に長くバスが走り出すまでたっぷり描かれる。だがスピードというとやっぱりバス 2525バス シークエンス自体はこれも思ったよりも短くコンパクト。次から次へと問題が畳みかけるスリリングさ。空き缶おばさんに横断歩道の小学生と、ツボをおさえすぎのコント感が面白い。あの辺り80キロは絶対出てないなぁ

乗客たちもパニック映画の王道らしく仲違い不信ベースから団結へという姿が見られる。そして何よりバスを脱出するときの二人のランデブーがサイコー過ぎて、その後のシーンが余計に見えた。

終盤では地下鉄の車両を地上に向けて猛進させるという、ジャンボ機の爆発だけでは足りなかったのか、石原プロにも通じる火薬と破壊のダイナミック映像。一度ヤン・デ・ボンを招聘して日本の刑事アクションものを撮らせたかった~


相棒ハリーにジェフ・ダニエルズ。元のシナリオだと裏切るよう。負傷した彼が複雑な顔を覗かせていたのはその名残か。
アニーにサンドラ・ブロック。この頃彼女がまとっていた隣りのおネーちゃんのイメージがつまっていて好感しかない。ピンチの時でもこういう機転の利く人がいたら心強い。

公開時は暢気な学生だったが、社会に出ると刻々動く事態で判断を下すという。結局これと同じことをやっているんだよな〜

この先の道路が切れていると告げられた時。指令は突然に上から降りてきて中間管理職から下っ端へ。結局は現場だけに無理難題が押し付けられる。そういう時にジャックやアニーのような人物がいるかどうか。バスが社会や組織のことだとすると彼らのような人間こそがまさにリーダー。こういう人がいるから回っている。逆に崩壊している社会というのは先の道路が切れていることを告げないまま自分たちだけで逃げ出してしまう。そういう事態のことなんだろうなぁ… ハッ また余計なことを考えてしまった。しかしまぁなんと現場感覚に満ち満ちた作品か。

⇒エンディング曲 Billy Idol「Speed」
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