たた

運動靴と赤い金魚のたたのレビュー・感想・評価

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)
4.4
笑顔と優しさに包まれる最高の「バッドエンド」です。
観たら心が温かくなること間違いなしの、しあわせムービー(*´ー`*)

健気なお兄ちゃんが妹のために一生懸命走る話。

修理に出した妹の靴を、帰り道で無くしてしまうお兄ちゃん。
家は貧しいから、親に言ったら怒られるし新しい靴なんか買ってもらえないに決まってる。
そこで、お兄ちゃんのボロ靴を二人で共用することに…。

靴修理の職人さんの手仕事を、アップでじっくり見せてくれるオープニングで始まります。

本職の人をそのまま撮ってるのかな?手際がよくて慣れた作業。

ナン屋の人(ナンでっかい!折り畳まないと持ち帰れないサイズ)、

八百屋さんも、セットかも知らんけど、見てるだけで現地の人たちの生活感が染み入ってくる丁寧な作りと撮り方で、すぐに作品世界に入り込んでいけます。

厳しいけど信心深くて家族を愛する父ちゃん。
庭師の飛び込み営業にチャレンジするも、無学で不器用だから、セールストークがうまくいかない。

代わりに上手に挨拶してくれた息子を素直に誉める父ちゃんと、父ちゃんの役に立ったことが素直にうれしい息子。
いい親子だなあ(о´∀`о)

先生方も厳しく温かく、近所の人もいい人たちで、皆助け合って生きている優しい世界。

しあわせの歌(だったかな)の歌詞にこんなのがあります。

北に住む人はしあわせ
春を迎える喜びを
誰より強く感じることが
できるから

厳しい環境にいるからこそのしあわせもあるし、貧しいからこそのしあわせもある。
しあわせって何なんでしょうねー。

クライマックスはマラソン大会です。
3等の賞品が運動靴だと知ったお兄ちゃんは、1度は締め切られた代表選手の枠に入れてもらえるよう、先生に懇願します。あの泣き顔は反則だ…
熱意に押されて承諾する先生もいい人だ。

「3等になってお前に靴をやるよ!」

「なれなかったら…?」

「なってみせるさ!」

がんばれアリ!

結果・・・・がんばりすぎ(笑)
たた

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