ほーりー

Mr.インクレディブルのほーりーのレビュー・感想・評価

Mr.インクレディブル(2004年製作の映画)
4.3
続編がこんど公開されるそうだが、もうあれから14年経つのかぁ。早いなぁ。

「Mr.インクレディブル」はピクサーの中でもとりわけ好きな作品。

初めて人間社会を舞台にしたピクサー作品であり、そのせいか対象年齢も少し上げている印象がある。

たとえば登場人物が死ぬシーンが明確に描かれている。
そして、どことなく大人の色気を感じさせる。

お互いにお尻をソフトタッチするアニメの主人公たちってぇのは他ではなかなか御目にかかるもんじゃござんせん。

ハードなストーリーもさることながら、改めて観るとメカニックがかなり凝っているし、スパイ映画を彷彿させる音楽がもう最高。

なんでこんな異色な作品ができたかというと、ひとえに監督の存在だと思う。

監督のブラッド・バードは、若い頃に一時期ディズニーにいたものの、すぐに転職して様々なスタジオを渡り歩いた苦労人。

ワーナーブラザーズに在籍中、「Mr.インクレディブル」の製作を開始するが、ワーナーがアニメ部門を廃止したことで計画が頓挫するという憂き目にあう。

それを不憫に思ったか、かつてのディズニー時代の同僚ジョン・ラセターからお誘いがかかり、ピクサーでついに本作を完成させることができたという。

生え抜きの譜代大名ではなく、外様大名の方がかえって光輝くことってあると思うが、これは本当にその顕著な例だと思う。

例えていうと、昔のイーリング・コメディにおけるアレクサンダー・マッケンドリック監督のようなものではなかろうか(←こういうのを知ったかぶりの批評という苦笑)

息もつかせぬアクションの数々、そして子持ち夫婦にありがちな微妙な確執と和解と、色々な要素が見事にマッチして最後まで目が離せない快作であります。

個人的には、バイオレットが可愛すぎるのと、ママさんのコスチュームのパツンパツンしすぎなのはもはや反則レベルだと思う。

■映画DATA==========================
監督:ブラッド・バード
脚本:ブラッド・バード
製作:ジョン・ウォーカー
音楽:マイケル・ジアッキーノ
撮影:アンドリュー・ヒメネズ
公開:2004年11月5日(米)/2004年12月4日(日)
ほーりー

ほーりー