ゆーさく

レクイエム・フォー・ドリームのゆーさくのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

みんな夢や目標があるけれど、その叶え方を間違えてる。薬物に足絡め取られて、恐らくその夢にはもう届かない。


サラおばあちゃん、ちょっと痴呆入ってるよね?
テレビ出演依頼のイタズラ電話に引っかかったり、ダイエットピルを覚醒剤だと気付かないまま常飲し続けたり。

薬物に手を出してるって意識もないまま中毒になってしまってて可哀想やった。
他の奴らは割と自業自得やけど。

サラを演じてるエレン・バースティンは流石の迫力やった。
特に中盤以降、精神のバランス崩してからの、自分の中だけでは筋通ってるけど周りから見たら支離滅裂な言動とか。リアルやった。

カメラワークと編集、めちゃくちゃサイケやったな。
薬物で意識朦朧としてる人の主観ってあんな感じなんやろなぁって説得力あった。
瞬間的な早送りにコマ落とし、ちょっと「マッドマックス怒りのデスロード」っぽい編集やなって思った。
狂気的なテンションを表すのに適してる編集法なのか。

終盤のハイテンポ編集、4人が地獄に向かってジェットコースターみたいに落ちていくあの畳み掛けるような編集は、一欠片の希望も無くて、でもどこか高揚感もあって画面に釘付けになった。
ヤクでハイになる時ってあんな感じなんかも知れん。



ラストシーン、絶望に打ちひしがれながら、胎児のように丸まって眠りに就く4人。

この不安も痛みも苦しさも全部無かったことにして産まれ直せたら、って思ってるんかな…ってそんな風に見えた。
ゆーさく

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