翼

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカの翼のレビュー・感想・評価

4.1
流れるエンニオ・モリコーネの音楽が美しく、マフィア達がまとう薄暗く物悲しい世界観にピタリと合う。約4時間に及ぶ大作の旅だが情報が多いという感想はなく、とにかくデニーロの人生とマフィアの世界を美しく撮ることに終始している様が潔く格好いい。
若きデニーロの美しいこと。地獄のミサワよろしく顔のパーツ全部真ん中男なのに、泣きぼくろと深く刻まれた皺がまぁセクシーである。

そして、1984年に撮られた1920年代アメリカの女性蔑視が物凄い。これが当たり前だったんですか!?という感想を抱く感性になんとかなれた2022年の私たち。女性の立場はこの100年で随分変わったし、38年で表現の世界もここまで変化した。ある種、この時代にしか描けないリアルが残されている価値みたいなものも付与されている。
翼