カフカのオテサーネク

らせんのカフカのオテサーネクのレビュー・感想・評価

らせん(1998年製作の映画)
5.0
貞子で有名な「リング」の続編だが、ジャンルがうって変わってSF医療ミステリーになったリングシリーズ2作目。

個人的には小学生の頃に初めて見た映画だが、今年男の子を授かった父親としてレビューする。

貞子とか呪いのビデオとかウィルス感染の恐怖はさておき、【最愛の子供を失う絶望】【子供を取り戻せるかもしれない希望】がこんなに恐ろしく切ないとは思わなかった。

不注意の海難事故で一人息子を亡くした主人公はそれからの人生を後悔と希死念慮にまみれて過ごしている。

呪いのビデオを発端としたウィルス感染事件を軸に物語が進み、主人公は悪魔との契約で最愛の息子を取り戻せる可能性を掴む。
が、その代償は…

劇中、主人公は可愛らしい寝顔で寝ている息子が沈んでいく悪夢を見るが、自分だったら生前の写真を見るだけで耐えられないと思う。

残酷な取引が行われたあとのラストシーン、白昼夢のような浜辺での親子の姿は何度見ても安堵と罪悪感が入り交じる最高のメリーバッドエンドに仕上がっている。

リングシリーズの続編としてわかりやすいホラーを期待して見ると肩透かしを食らうかもしれない。

小さい男の子が居るお父さん、必見です。
さて、あなたならどうしますか?