カフカのオテサーネク

冷たい熱帯魚のカフカのオテサーネクのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
5.0
でんでん演じるガハハ系オヤジの滑舌悪い恫喝が楽しめる映画。

「埼玉愛犬家殺人事件」をベースにしてるんだけど、実際の犯人調べてみるとでんでんそっくりなのね(笑)

誰しも人生で一度は遭遇したことがあるであろう「話通じない系ガハハオヤジ」のリアリティが凄まじい。(セカンドバック片手にエロい女連れて夜の繁華街にいるよなぁ)

小市民である主人公がこのガハハ系オヤジに恫喝され、振り回されて人生が崩壊していく話なんだけど、このガハハ系オヤジ「村田幸雄」がとってもキャッチーで最高なのよ。

まず滑舌が悪い。
恫喝してるんだろうけど何言ってるかほぼ聞き取れない。
何かすげぇ剣幕でまくし立ててきてるのと、こっちに対して敵意があることくらいしかわからない。
電車とかでこういう手合いいるよね。

表面がひょうきんなところも得点高い。
近所の飲み屋で見かけるようなお調子者で世渡り上手なおっさんにしか見えない。
人妻や若い女の子をオチャメに篭絡して、スーパーの店長やビジネスパートナーとはひょうきんな軽口で距離を詰める。
人生経験上、こういうおっさんに関わるとろくなことがない。

この映画の見所は最初の殺人の時に村田が豹変するシーン。
「こいつはほっとけ、もうすぐ落ち着く」
「人はいつか必ず死ぬよな?」
「どこでくたばってもらうか、それを決めるのは(バンッ)俺だぁ❗」
もう名ゼリフの連発でテンション爆上がり。
重低音の太鼓が連打されるBGMも相まってある種のお祭りシーンみたいになってる。

死体を処理するときもブラックユーモア全開でドラム缶で骨を焼くときに「吉田さ~ん❗元気でな~‼️」って…元気とは…?

黒い笑いが散りばめられた楽しい映画なのでグロいのが苦手な人以外にはオススメです。