カフカのオテサーネク

ミッドサマーのカフカのオテサーネクのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.5
共感欲求が暴走したメンヘラ女子が酷い目にあうキモイ(褒め言葉)展開てんこ盛りのカルト奇祭映画。

この映画をホラー映画だと思ってる人がいるかもしれませんが、これは「気持ち悪い感じの居場所探し映画」です。

主人公の女の子は心中で家族を失い、彼氏にも最近疎まれぎみで心の拠り所がない可哀想なメンヘラ。

そんな彼女が彼氏の悪友一向に連れてこられたホルガ村で自分の心情に心の底から共感してくれる素敵な(カルトの)人々と出会って自分の居場所を見つける素晴らしいサクセスストーリーでした。

主人公の女の子があるトラウマシーンを覗き見てしまって絶望のあまり泣き崩れるシーンがあるんですが、村の女性たちも一緒になって泣きわめくシーンは異様で良かったです。
(どこぞの国の葬式に出没して大袈裟に泣きわめいて大暴れする「泣き女」を連想しましたね)

この「共感性」ってのがくせ者で、一緒に騒いだりすれば共感してるって物でも無いだろうに、心が弱ってるときは勝手にシンパシー感じて「わかる~」とか言っちゃうのは本当に不毛ですね。

傷の舐め合いで居場所ができるならこんなに簡単なことはありませんね。
だからカルトにはまる人が後を絶たないんでしょうけど。

他人の不幸を喜べる人、胸糞悪い展開が好きな人にはオススメです。

逆に「何も楽しいことが起こらない」とか「ただただ不快」とか思う人は映画を見る前のリサーチを怠った自分を呪いましょう。