ウシュアイア

マイ・フレンド・フォーエバーのウシュアイアのレビュー・感想・評価

4.0
高校生くらいの時に保健か何かの授業でHIV患者が出てくる映画を観たり本を読んだりして感想を書くといった宿題で、ビデオを借りてきて観た覚えがある。

当時はHIV感染→AIDS発症→死亡というのが当たり前の不治の病で、今とはだいぶHIVの取り扱い方が違う。ストーリーは不治の病にかかった子どもの友情を描いたロードムービーで、意外性はあまりない。

原題は”The Cure”(治療法)で、子ども達が治療法を探す旅に出る話ということである。観た時に「マイ・フレンド・フォーエバー」などというなんて陳腐な邦題をつけてくれたもんだと愕然とした覚えがある。

HIVにかかった少年が友人のエリックとともに野草を食べたりして未知の治療法を探す様子はまさに子ども心をうまく形にしている気がした。

そして最後のお別れのシーンのスニーカーには泣けた。

HIVは男性同性愛者の中で広まっていったことから偏見が強く、血友病治療の血液製剤や輸血による感染していることなど、普通に生活している分には感染らないといった、今では常識となっていることを啓蒙する要素が強かったように思えた。その一方で、HIVに感染していることを逆手にとって不良と渡りあったりし、物語性と啓蒙の両立が取れている気がした。
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