円柱野郎

炎のランナーの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

炎のランナー(1981年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1924年のパリ五輪で英国に金メダルをもたらした2人の陸上競技選手を中心に描いた人間ドラマ。

第54回アカデミー作品賞の本作。
結果的に金メダルを獲得するとはいえ、勝つことで潜在的な差別を跳ね除けようとしたユダヤ人のハロルドと、信仰心によって走り、信仰心のために走ることを拒んだエリック。
陸上競技を通して、自身のアイデンティティと闘った2人の生きざまを描いているからこそ名作になったのだと思う。
特にハロルドの話は権威主義的と静かに闘った若者の話として胸を打つが、彼のコーチになったサム・ムサビーニもまた同じモノと闘っていた男で、二人がこのオリンピックで得たものは金メダル以上のものだったことは痛いほど伝わってくるね。

この映画はヴァンゲリスによるテーマ曲が印象的だけど、流れるのはオープニングとエンディング。
浜辺を走る彼ら英五輪代表の姿はOPとは全く違う余韻に浸れる。
こういう循環も良いですね。
円柱野郎

円柱野郎