鷺宮テラス

極道の妻(おんな)たち 情炎の鷺宮テラスのレビュー・感想・評価

3.9
「桜姫」の監督さんが気になって本作をレンタル。「探偵はBARにいる」も「茶々」も好きだったのだけどこのお方だったのね。

ヤクザで思い出すニュースは暴力団排除条例施行前、組長が病気で入院中に組員が大相撲の向正面(むこうじょうめん)の最前列全て陣取って病室でテレビを観ている組長を励ます、なんてことがあってなんのこっちゃと思っていたけれど、本作のような映画を観ると組長もきっと「おお、お前達。。」と涙したんだなと、少しアリかもなんて感じてしまうのはなぜなんだろう(笑)。

跡目争いのシンプルなストーリーでテンポも終始単調なんだけど私はこの監督さん好きだな。入れ墨のある背中が濡れていて沢蟹を歩かせることで死んだと観客に思わせる昔ながらっぽい見せ方。古ぼけてる定食屋が安くて美味いあの感じ。

そこにわざわざ船で行く?などの非現実的な映画ならではの手法に慣れてきてなぜか安心感を抱く。


そして突如訪れる血が水道のようにビューっと吹くシーンや一瞬ゾンビ映画のような場面、アツい殺陣、熟女の胸(今回は杉本彩さん)など「桜姫」と変わらぬ様相はこの監督のこだわり(遊び)の方程式なのかもしれない。

高島礼子さんが刀振り回すだけで何か満足できちゃうから不思議。
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