鷺宮テラス

葬送のカーネーションの鷺宮テラスのネタバレレビュー・内容・結末

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

葬送という言葉に惹かれ、カーネーションと原題のクローブで思いは更に強くなり(鑑賞して原題はまた別だと知った)、トルコには憧れのギョベクリ・テペがあるしもしかしたらその一端を感じることが出来るのではと万難を排して劇場へ。

土と草とクローブの香りがしたようだった(良い匂いではない方の)。足元に置かれたものを見て辿る道の先を眺め逡巡し視線を戻す老人の動きに鳥肌がたつ。

密教の僧侶が手に塗る塗香(ずこう)には丁子(ちょうじ クローブ)が含まれていて強い香りだけど日本の文化にとっても馴染み深い香りで紫式部も丁子の香りを纏っていたはずで本作の丁子の使い方も思いの込もったものだった。人類最古の宗教施設の遺跡を持つトルコの宇宙観に触れることが出来た。

払う代償を受け入れながら進むお祖父様の姿と少女の悲しげなお話なのに、身体があたたかくなって段々と熱くなった。

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"あの場所"はギョベクリ・テペを意識されたかどうか聞いてみたい。

ヒッタイトの動物の神(イナラ)もいらっしゃいましたか。

四国八十八ヶ所巡りを真言宗僧侶が行う場合はどこでも無償で泊まらせてくれて食事も提供してくれるのだけどそれに似た空気があった。四国すげー、トルコすげー。
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