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300 <スリーハンドレッド>のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

実家で。

2007年の原作のグラフィックノベルを元にして実写化した作品。

監督は「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」のザック・スナイダー。

あらすじ

紀元前480年。ペルシア王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ「ベン・ハー」)率いる100万のペルシア軍を迎え撃つため、スパルタ国の王レオニダス(ジェラルド・バトラー「ザ・アウトロー」はわずか300の兵士を率いて、戦いを挑む。

Netflixにて、2度目の鑑賞。

今は残念ながら降板してしまったけれど、マーベルの「アベンジャーズ」に対抗すべく、DCコミックが打ち出した「ジャスティス・リーグ」シリーズの立役者でもあるザック・スナイダー。

そんな彼の出世作である本作を久し振りに観た。

当時は流行ってたからか、面白いと思ったけど、今観ると…うーん、ちょっと合わないかな。

グラフィックノベルが原作ということもあり、史劇を元にした活劇の割にはスローモーションを多用したり、部分的に陰影がはっきりしたりと漫画的な表現が心地いい。

また、敵として描かれるペルシア帝国の軍団も初めはモブっぽい奴から始まり、不死の軍団、ロードオブザリングに出てきそうなオークみたいな奴だったり、爆発物扱う魔法使いだったり、果てはどっから持ってきたのかサイとか象とかだったりと多種多様なバラエティ豊かな面々が次から次へと出てくるので、次は何が出てくるのかって意味では楽しい。

また、ペルシア王であるクセルクセス自体もなんつーか、我は神なりとでも言いたげな神聖化された人物でありながら、あまりにも漫画的過ぎて、一周回って格好良さすら感じられるようなバカっぽさもあって良かった。

対する主人公側であるスパルタ軍も、タイトルに冠する通り、わずか「300」の軍勢でありながら、一向に臆することなく猛りに猛りっぱなしで、揃いも揃ってドラクエで言うところの「ガンガンいこうぜ」な面々で雄々しい(間違っても「命大事に」な野郎は1人もいない)。

やっぱり主演のレオニダス(名前もTHE主人公でカッコいい)を演じたジェラルド・バトラーの「勇猛果敢さ」溢れる顔面力による功績があまりにもでかすぎるわけだが、今観ると、スパルタ軍の中にあれ?なんか見たことある顔がいるぞと思ったらマイケル・ファスベンダー(「エイリアン:コヴェナント」)いるやんけ!!

今作ではスパルタ軍の中でも若々しさが目立つ戦士の1人、ステリオスを演じてるんだけど、それもそのはず。正確な当時の年齢はわからないけど、1977年生まれで公開年が2007年なので、大体29〜30歳くらいなわけで、どうりで若々しいわけだ。

現在よりも、どちらかというと痩せマッチョ感が目立つけど、この頃からウホッ!いい男だわな笑。

と、まぁわかりやすい対立構造&勧善懲悪ものなのでわかりやすいはずなんだけど、いかんせん語り口のなんつーか「褒め称えよ!」感が飲み込みづらく、ノれなかったというのが正直なところ。

あと、今作でどうしても納得できない点が1つあって、それはエフィアルテス(アンドリュー・ティアナン「ウォー・オブ・ザ・デッド」)のハブ問題。

いや、仲間に入れたげろよ!!

レオニダスの言い分もわかる。確かに彼のハンディでは自分は良くても仲間の命を預けることはできないっていうのも。

でもさ、でもさ…だからといって、勝つ見込みが少ない戦いにおいて「自分もスパルタの戦士」として戦いたい!」と両親の期待を背負って、自分の命を投げ打ってまで戦地に赴いたエフィアルテスをハブるのはどうも釈然としない。

やっぱ可愛そうだよ。

多分、それは観ている自分も「持たざる者」だからだと思うんだけど、努力ではどうにもならないことってあるわけで、それでも他の意思を組んで生かすのが上司の役目ではないのだろうか?とすげぇ自己投影の穿った考えではあるのはわかるんだけど、個人的にそう思ってしまった。

だからこそ、思惑こそあれ、結果的にはエフィアルテスを受け入れ、仲間に引き入れたペルシア帝国の方がよっぽどリベラルな考えを持っているのではとも思ってしまった。

うーん…まぁそれだけ結果的には感情移入できたキャラクターがいた作品とも言えるんだろうけど、なんかスカッとしねぇ…そんな2度目の鑑賞でしたわ。
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