GakuKobayashi

櫻の園のGakuKobayashiのレビュー・感想・評価

櫻の園(1990年製作の映画)
4.6
桜の季節ですが、故にこれを見たわけではなく、たまたまこれを見ただけ、とはいうものの、これは紛れもない傑作です。
同じ監督によって撮られた、同タイトルのリメイクではなく、リイメージのバージョンを先に見ていた者として、懸念がないわけではなかったのですが、開始数分で、そんなもんは忘れてしまいしました。
この映画を見ていて、ふと思い出したのは、ジョージルーカスの最高傑作、「アメリカングラフィティ」で、あの映画が一つの街を舞台にしていたのに対して、こちらは一つの学校というか、ほぼ一つの講堂で、それでも、十分奥行のある映画になってるのです。
もう一つ思い出したのは、相米慎二監督の傑作「台風クラブ」です。
見ている途中、素晴らしさに驚きっぱなし、だったのですが、もっとも驚いたのが、エンドクレジット。
撮影場所が、聖望学園だったのです。
私の実家から最も近い高校の一つ(私も滑り止めで受けましたね、そういえば)で、まさかと驚いたのです。
そんな高校(中学)知らないという人もいるかもしれませんが、甲子園に何年に一回くらい出る高校です、と聞くと思い出す人がいるかもしれません。あるいは、制服が、かつてくすんだコケみたいな色をしたものだったと聞くと埼玉県民は思い出すかもしれません。今は変わり、すっかり普通の制服になりましたが。
ショットと編集、登場人物を描きかた、本当に素晴らしいですが、聖望学園で撮影されたということを加味するとより味わい深い作品に思えるかもしれません。
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