GakuKobayashi

ローン・サバイバーのGakuKobayashiのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
4.4
内容の前に。
ジョニデ主演のローンレンジャーを見ようと思って間違ってしまったわけだが、つい最近ピータバーグ監督のバトルシップを見たタイミングだったので、同監督の同じく軍モノだけど、あちらが、SFである種のバカ映画だったのとは対照的に、こちらは社会派なシリアスなアフガン戦争ものだった。
シリアスだけれど、エンタメとして恐ろしくよくできているこの映画の、個人的にもっとも恐ろしかった点は、アメリカが誇る精鋭特殊部隊ネイビー・シールズが結構ずさんな管理組織であるという点と、タリバンの軍としての能力だ。
もちろんフィクション的な味付けがしてあるのはわかってる。
一応エリート中のエリートであるネイビーシールズの連中が、追い詰められ、タリバンの能力の前に、ブロリーを前にしたベジータ的弱音及び心底の恐怖を味わっている描写がこの映画の他の戦争映画と微妙に異なる点ではないだろうか。俺たちネイビーシールズが、タリバンごときに…みたいな感じで心が折れる瞬間がわかる。「セデックバレ」で、セデック族の戦術にボコられた日本軍の連中が、セデック族を野蛮人扱いから、ある種の対等な敵として扱い改めるシーンをふと思い出させる。戦争映画というより、ホラーに近い恐怖映画としてタリバンの追撃が描かれている。
味方がヘリで好きにくるシーンは助かるー!!からの絶望といった描写で、朝鮮戦争を描いた韓国映画「高地戦」を思い出したりもする。
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