甘い邦題を持つこの映画は、題程には決してひどくない。
類似の映画としては、ブルーバレンタインやレボリューリョナリーロード、ビフォアシリーズ等々がある。
しかし、それらの傑作群と異なるのはこの映画が稚拙な点である。とはいっても、その稚拙さというか、周到な稚拙さは内容・構築性共にマイナスではない。むしろならではの表現になっている。
一眼レフで、撮影したらしいから、ある種の生々しさがあり、それがポイント。冒頭のとあるシーンは揺れにひどく驚いたが、その後はそうでもない。
ラストシーン、シャワールームでふたり抱き合いながら過去の最もキュンキュンしていた記憶を互いに思い出す。フラッシュバックか挿入されるわけだが、この回想は、今までいつ思い出しても仕方なかった記憶を遂に思い出してしまったようにみえる。
そして映画は終わる。
コレを観ていた同時期に読んでいた、川上未映子の小説のクライマックスの雨からの美しく光りのシーンで終わるのとは正反対のラストシーン。
