噛む力がまるでない

ゴールデン・チャイルドの噛む力がまるでないのレビュー・感想・評価

ゴールデン・チャイルド(1986年製作の映画)
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 1986年のエディ・マーフィー主演のアクションコメディである。

 昔の『ゴールデン洋画劇場』で何度もかかっていた覚えがあり、懐かしい思いで見てみたのだが、かなり緩いお話でエディ・マーフィで持ってるようなもんだな……と思う出来だった。

 というのも、チャンドラー(エディ・マーフィ)が選ばれし者だという設定にどうも説得力がなくて、軽口ばかりの男が世界の運命を握る重要なキャラクターにはあんまり見えないのである。しかしながら、よく考えると「主人公がエディ・マーフィだから」という理由がこの映画には横たわっていて、選ばれた者には見えなくても、エディが軽快に冒険をすることが重要なのだということが示されている。実に80年代スター映画らしい映画だ。
 フジテレビ版の吹き替えで見たが、下條アトムのあてるエディのキレがまあ抜群で、カトマンズの空港での適当ななりすましには何度も笑ってしまった。なんというか、良い吹き替えを見てるなという気分にさせられる。

 あと、時々面白い絵面が出きて油断できないところがあり、サード・ナムスパ(チャールズ・ダンス)が悪魔と通信するシーンはひさびさ見てもおっと思ったし、コーラの缶が踊るシーンもキュートでファンタジーだった。