ぼぶ

フォレスト・ガンプ/一期一会のぼぶのレビュー・感想・評価

2.5
前に2度くらい観ていて、でもだいぶ忘れたから…今ならまた違う感じ方をするかな…と期待を込めて観なおしたけれど、やっぱりダメだった。
名作と言われるものはだいたい好きだし、そこまでではないと思っても何かしらその価値を見出せるのだけど、やっぱりこれは難しかった。不思議だ。

確かに実際の時代の事象と、フォレストの数奇な人生をうまく絡めてて、リアリティのない話にリアリティが生まれているし、知的障害があっても天性の才能もあったりするからという前向きなメッセージや、身体障害者になって自暴自棄になっても、これまた前向きに生きる希望を与えたり、ジェニーを想い続けた純粋な愛の深さだったりと、多くのテーマが盛り込まれている。

人生における最初から決まった運命と、自分の采配というか実力や偶然は両方あるという話や、ママの人生はチョコレートの箱と同じ、死も生の一部、という話など、印象に残る台詞やシーンも多く、それをなぞることで後からより生きてくるのもわかる。

でもなんだろう、1つ1つのエピソードは幅広くてかつ内容も濃いし、バス停で話すスタイルも良いのだけど、なんか映画ってもっと面白い要素があるような気がするというか、カメラワークとか音楽とか、あと例えば有り得ない話だったら「ビッグフィッシュ」やティムバートン作品やノーラン作品のような突き抜け、リアリティならもっと他のサスペンスやヒューマンもの、がある気がして、刺さりにくいのかも。
単純にフォレストのズレた感じが笑えないし、切なくもなりにくい…演技はめっちゃ上手くて伝わるのだけど、響かなかった。
アップル社🍎がフルーツ会社、みたいなとこは笑ったけれど。笑

むしろ一番刺さったのは、フォレストなんかどうでもよくて、ジェニーの苦悩だった。
きっと本来のスペックは高く幸せになれそうなのに、生い立ちから苦労して、夢も中途半端、色んなタイプの数々の男にも染まりきれず、年々汚れていく自分と振り切れない最後の良心みたいなモノとの葛藤、そしてやっと見つけた安住の日々からの、短命な運命(と自分の采配)。

なんか僕の心もだいぶ汚れていて、みんなが言う「名作」を染み込ませられなくなっているんだとしたら、少し悲しい。
沢山映画観てるから、だとしても少し悲しい。
でもそれくらい再度グッとこなかったんだよなぁ、良い映画入門!っぽいからなのかなぁ、残念。
ぼぶ

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