ひろぽん

スパイダーマン2のひろぽんのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
4.8
サム・ライミ版『スパイダーマン』2作目

グリーン・ゴブリンとの死闘から2年が経ち、スパイダーマンであることでMJとの恋や親友ハリーとの友情に悩みながらも宿命を受け入れていくピーター。そんな彼の前に新たな敵「Dr.オクトパス」が立ちはだかる。スパイダーマンであることの苦悩や葛藤を描いた物語。


高校を卒業して大学生になったピーターは、本来の大学生のピーターパーカーとして生きるか、スパイダーマンとして生きるかの岐路に立たされていた。

昼は大学生として授業を受け、空いてる時間はピザ屋の宅配と新聞社に写真を売り込むというバイトをし、事件が起こるとスパイダーマンとして街の平和を守るという多忙な生活を送る毎日。

しかし、大学では講義に遅刻し教授からはお叱りを受け、バイトも遅刻してばかりでクビになり、オマケに愛するMJは婚約の危機。

親友のハリーは父親殺しの犯人をスパイダーマンだと思い込みピーターとも確執が生まれ始め、デイリービューグル新聞社の編集長からはスパイダーマンが悪者扱いされるなど上手くいかないことばかり。

そんな中、ピーターの身体にも異変が起こり始める…。手首から糸が出なくなってしまったり、視力が低下してしまい、身体能力が低下しスパイダーマン存続の危機に陥る。

ベンおじさんの“大いなる力には大いなる責任が伴う”という言葉が重くのしかかる中、1度はスパイダーマンを辞めてしまうが、メイおばさんの鼓舞する温かい言葉に勇気を貰いスパイダーマンとして再起を果たし覚醒していく姿はやっぱり感動できるものがある。

今作のヴィランは憧れの天才物理科学者・Dr.オクタビアスが核融合実験に失敗し、自身で開発したAI搭載のアームが暴走して、制御できなくなった4本の金属アームを操るDr.オクトパス。

ピーターを認めるオクタビアスは善人であり、悪事をはたらく犯罪者に成り下がっても自分自身のケジメをつける情に熱く憎めないヴィランで好印象だった。

Dr.オクトパスが暴走させた電車を糸を駆使して体を張って全力で止める名シーンが最高に良かった。電車の乗客たちにスパイダーマンの正体が“まだ子どもじゃないか”と明かされてしまうも、みんな秘密にしておくという優しさや、スパイダーマンを守ろうと戦おうとする市民たちの優しさにグッときた。これまでやってきたスパイダーマンの行動が市民たちから態度として返って来る感動的なシーン。

無敵のスーパーヒーローとしてではなく、1人の人間として苦悩や葛藤が等身大で描かれるところがやっぱり初代スパイダーマンの好きなところ。

前作よりもCGのクオリティが高くなって街を蜘蛛の糸で駆け巡るスパイダーマンの華麗なスイングが心地よい。

どれだけ頑張っても中々報われず、愛する人たちを傷つけてしまう悲哀な物語だけど、その悲しさや切なさが好き。

サム・ライミ版のスパイダーマンの中で2作目が1番好き。
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