戦時中にも輝く阪妻。中山安兵衛、大石内蔵助を演じた阪妻が演じた第三の忠臣蔵。
史実の赤埴源蔵は下戸、兄はいなかった(弟と妹)が、講談の世界で大酒呑みの赤垣源蔵になった。
堀部安兵衛と並ぶ仇討ち派だが世間から嘲笑され叱られ、それでも耐えるしかなかった赤埴源蔵だからこそ、酒で悲しみを流すしかない。悲しい酒やね。
『徳利の別れ』の場面よりも、甥に饅頭をあげようとするが「呑んだくれ!」となじられた時の哀愁と瞳に光るものこそ阪妻の真骨頂。
討ち入りの姿のなんと清々しく勇ましいか。雪と朝がこんなに似合う俳優は他にいない。