シネマの流星

許されざる者のシネマの流星のレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
5.0
妻の死も、友の死も、一時の友情も、美しい女の顔も、そして映画も。あらゆるものが、あっけない。凶器ひとつで変貌する。銃弾ひとつで終わる。イーストウッドは最初から最後まで弱さを見せる。屈強なガンマンの西部劇ではなく、徹底的に弱さを描く。これほど哀しい銃弾を描いた西部劇があるだろうか。虚無が支配するラストの先に、果てしない生への力がみなぎってくる。涙がこみ上げてくる。人間は強いから生きられるのではない。弱いからこそ強さを求めて生きられる。
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