シネマの流星

羅生門のシネマの流星のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
5.0
雨、風、光。自然が活劇する。自然に活劇させる。天から降る豪雨、地面に這いつくばる女の叫び声。三船敏郎が言う「風が俺を狂わせた」

自然と人は対等。天地人は対等。黒澤明はどこまでも地平線を漕ぐ。

『羅生門』は見上げるカットの映画。雨に打たれ、絶望にひれ伏しても見上げる。ラストも雨を上らせない。降り続く雨。しかし志村喬も観客も心は晴れている。セリフでもアクションでもストーリーでもなくキャメラ。アングルこそが『羅生門』の希望のメッセージ。
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