はま

仁義のはまのレビュー・感想・評価

仁義(1970年製作の映画)
3.3
気付けばあともう少しになってしまったアラン・ドロン特集の録画… だけどTSUTAYAに何本か録画にない分のDVDがあったので借りてきます☺️←

今回は1970年、35歳でまだまだ男前度最高潮で、珍しく口ひげをたくわえている(!)元囚人役。お、ここにきて初めて職業が被ったかも。

原題『Le Cercle Rouge』の意味は「赤い輪」。映画の冒頭に説明がある通り、釈迦が説いた「人はそれと知らずに巡り合うもの」という話のこと。
最終的に「なるほど」と唸るタイトルなんですが、こちらは邦題の『仁義』もなかなかのものだと思います。

フレンチ・フィルム・ノワールと呼ばれるこういった陰鬱な雰囲気の犯罪映画の中でも、男同士の「仁義」が活きる、退廃的だけどカッコいい(憧れる)と思ってしまう映画でした。

出所した男、その過去に関わりのある男、移送中に脱走した男、それを追う男、過去に苛まれる元警官…
それ以外にも、全く関わりのなかった沢山の人間が「赤い輪」のように少しづつ繋がっていき、結ばれる。

そこには「脚本の意図」や「都合の良さ」を些かも感じず、これは運命だったんだなと思わせられる物語でした。

序盤に出会うことになるコーレイ(出所した男)とヴォーゲル(脱走した男)の関係がとても好きでした。意識せず感じる仁義…
でもこの二人だけじゃなくてこの映画全体に言えることだけど、とにかくセリフが少ない。
今まで観てきたアラン・ドロン映画も十分セリフ少なかったけど(笑)、これは輪にかけて少なかった…

行動で示される信頼とか心配とかの感情たちは、言葉よりも際立って感じられました。
私はどれかというとヴォーゲルに感情移入してしまったので、コーレイ(アラン・ドロン)に対する仁義はめちゃくちゃ感じました… わかる……

いやほんっとに静かな映画で、警察から追われてる時も事件が起こった時も、自ら事件を起こした時ですら全く音がないのがほんとに緊張する。
これ、『ミッションインポッシブル』やったらジャカジャカBGM鳴らしてるとこやろなーって(笑)

色んな巨匠がお手本にするのも頷ける名作感でした。
アラン・ドロンと大型犬は芸術的


そういえばどうでもよくはないんですけど、なんか字幕の言葉遣いにちょっと時代を感じた…
「シゴトを」「アツクなるなよ」とかカタカナで書いちゃうとことか、語尾の「〜〜いけねえぜ」みたいな
アラン・ドロンのキャラそんな乱暴な喋り方する人?って思った←
はま

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