ろ

十二人の怒れる男のろのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.3
「人の生死を5分で決めて、それが間違っていたら?」


やっとやっと、観れました\(^o^)/
祖母が大好きな今作!!!
「12人の優しい日本人」を先に観ていたので、そちらと比較しながら観れたのも楽しかったです(^^)


父親殺しの罪に問われている少年。
11人の陪審員は有罪を確信。
しかし、1人だけ無罪を主張する。
彼は疑問点を次々と挙げ、推測を始める...

野球観戦に行きたいがために他人の意見にあわせて自分の主張を変える人、議論に飽きて落書きをする人、自分の意見がなかなかまとまらない人。時計屋さんや建築家、セールスマン、工場長など職業も様々。移民、スラム出身などいろんな背景を持つ12人が議論を重ねます。

好きな場面が2つ。

まず、評決よりも野球観戦を優先させる陪審員に一喝する場面。
この評決で有罪になれば、少年は電気椅子送りになります。
たった12人の意見で少年の運命が決まってしまう。
そんな簡単に、短時間で決められることではありません。
野球>少年なんて...なんで真剣に議論しないの!?
「あんた、人の命をそんなに軽々しく扱えるのかね?」
「自分の正しいと思うことをしろよ」
陪審員たちの怒りのこもった口調と眼差しがとても印象的でした。

さらに、偏見を堂々と口にする陪審員も。
「スラムが犯罪の温床なのは事実で、そこの子どもたちが社会に脅威を与えている」
「スラムの連中はウソつきだ。しかも連中は殺人に理由など要らんのだ。ドブで死んでも誰も気にしちゃいない。殺しなんか平気さ。あの連中は社会のクズだ」
彼の頭の中はスラムに住む人々への偏見でいっぱい。
偏見だけで決めつけ、事実を見ようとしません。
彼の主張に他の陪審員は次々と席を立ち、背を向けます。
「個人的な偏見を排除するのはいつも難しい。
しかも偏見は事実を曇らせる」


全く知らない人間の有罪、無罪を決める評決。それは陪審員たちに直接関係のないこと。彼らにとっては損も得もない。けれど、その結果は人の命に関わる。決して軽く考えてはならない問題で、陪審員たちには責任がある。


「なぜ無罪に?」
「疑問の余地があるからさ。細かい点が不明確だから」
ろ