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バルタザールどこへ行くのakiのレビュー・感想・評価

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)
4.2
ちょうど気分がぴったりのタイミングだったのか、やたら興味深く楽しく鑑賞出来ました。ひどい、悲しい、、と思いつつも、人間ってそうだよなぁ。。人生ってそうかもなぁ。。と納得出来るので、悲しみがそんなにストレスではなかったです。淡々としていたのも重くなりすぎず良かった。

最近見た白黒映画が「ビリディアナ」だったので、マリーの落ち様が「ビリディアナよりひどいのでは…」と思ってしまったり。特に説明もなく、心をなくして道を外すような行いには、なぜに!?とハテナだらけでしたが、病んでるような独特なこの子の表情でこれまた納得させられてしまう。。そういうものなのかなぁ。

特に不良の子とくっついちゃうのがハテナ。。普通にジャックとくっつけばいいのに。それも人生??人間??不思議。

バルタザールが虐げられる様も、かわいそう、ひどい、と思いつつも、生活の場面で必要な労力になっているのを見ると、そういうのは良しとしてしまうし、かわいそうなんて思うのは都合が良いというか傲慢なのかなぁ、、と複雑。何かしら動物を虐げてきて、人間が暮らせるようになってるのだし。。

不良たちのバルタザールに対する不必要ないじめも、「ひどい〜!」と思いつつも、自分も子どもの頃蟻をつぶしたりしたのを思えば、不良たちのこと言えない…となる。。人間の無自覚な酷さがよくわかりました。。

見ている最中は「どういうこと??」が多くて、解説が欲しい〜っと思ったのですが、この描きすぎない感じが良いのですね。。なんだか音も良くて、映像も心地よくて、妙に見入ってしまいました。自分のコンディションによっては全然ハマらなさそうな映画ですが、今日はやたらハマりました。
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