TSUTAYAで見かけストップモーションアニメだったので気になりレンタル。ソバットシアターの自主制作作品で、8年という歳月をかけて作られています。家や町の造形も細部まで拘って作られていて芸術的。

○故障をしてしまった電信柱のエレミは、修理をしてくれた作業員のタカハシに恋をする。エレミは電話回線に侵入し、電信柱と言うことを隠してタカハシにコンタクトをとる。電話だけのやり取りだったが、二人は仲良くなり……。

轢かれた猫の為に電話回線使うのはためらうのに、惚れた男のためには嘘をついてまで電話するんかい！とちょっともやもや。
その後、しばらく時間がたち、轢かれた猫を見つけた女の子の行動は、合理的ではないしもっとやることがあっただろうとは思いつつ、彼女にとってそれが猫の為になるんだという考えがあったんだと思います。

恋の為なら電話回線を不正利用して、タカハシの為にプレゼントを買ったり、やっている事は結構ワルですよね。
恋は盲目と言いますが、エレミの純粋な恋心を上回る、手段を選ばない所がちょっと怖くなりました。
まぁでも、電信柱だし、アプローチ手段が少なくなかなか辛いよな～っていうのもわかるのでちょっと切ない。

「物を擬人化して考える」っていうのは割と私なんかは日常の中でやってしまいがちなんだけど、電信柱でやった事は無かった(そもそもその発想が無かった)。

話の広がりが難しいアイテムで、案の定無理ある展開をみせたわけだけど、それなりに切ないと思えたのはエレミの一途さとタカハシの好青年ぶりが為した術であろう。

工藤恭造氏を偲んで。