劇場版『名探偵コナン』15作目
都知事の殺人予告によってもたらされた都内の地下鉄トンネル爆破事件と新潟県の雪山で起こる殺人事件という2つの謎と、8年前の事件が繋がる時に過去の陰謀が明かされていく物語。
15作目という事で「15」という数字がキーワードとなっている。今作のキーパーソンである立原冬馬の年齢が15歳であることや、雪崩で助かるタイムリミットが15分であるという事、映画のタイトルにも15という数字が使われている。
序盤の高速道路をスケボーで逆走するコナンの危険走行や、終盤のスノボで雪崩を引き起こそうとするシーンのハラハラドキドキ感がたまらない。
コナン映画の中でも人の心に突き刺さる名シーンであるコナンの発言がとても素敵。
「そこまでだ。
2人ともそれ以上言うのは、辞めろ。
一度口に出しちまった言葉はもう元には戻せねーんだぞ。言葉は刃物なんだ。
使い方を間違えると厄介な凶器になる。
言葉のすれ違いで、一生の友達を失うこともあるんだ。
一度すれ違ったら、2度と会えなくなちまうかもしれねぜ。」
大人になっても心に留めておきたい大切な言葉だと思う。
この言葉のようにコナンが雪崩に巻き込まれ、二度と会えなくなってしまうかもしれないというシーンがグッときた。普段救う側なのに、珍しく救われる側になるという展開も斬新で良かった。
ゲストキャラに似せた渡部陽一をそのまま登場させるというのも新しい展開だった。相変わらずのスロートークは懐かしい。
7歳の時に事故にあい目覚めたら8年後の15歳だったという冬馬が本当に可哀想。玉手箱を開けたような感覚なんだろうな。コナンや灰原の真逆のような存在であるという対比も面白い。その後に、綺麗なダイヤモンドダストがそんな気持ちすらも吹っ飛ばしてくれたのが良かった。
決壊して勢いよく流れ出すダムや、人工的に起こした雪崩の災害級の怖さにゾッとする部分があった。東日本大震災の後に公開された映画だと思うと凄い。