ひでやん

大人は判ってくれないのひでやんのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
3.8
トリュフォーの長編デビュー作。
「あこがれ」
「大人は判ってくれない」
「トリュフォーの思春期」など
トリュフォーって子供を撮るのが好きなんだろうな。
少年の純粋で傷付きやすい心と、真っ直ぐな強い眼差しをカメラは鋭く鮮明に捉えている。
学校を休んだ理由を嘘ついたり、作文を丸パクリしたり、かわいいレベルの悪さなんだよね。
どういう気持ちでそういうことをしたのか、味方になって寄り添ってあげる親ならいいけど、悪さした時だけ叱って、あとは無関心だから、どんどん子供は離れていく。悪い方へ悪い方へと転がっていく。
ちゃんと子供の顔を見て話さずに、
もうお手上げ。知らん!てな感じで鑑別所送りにする。子供がグレる原因の一つに家庭環境あり!て、60年も前のフランス映画が現代の子供にも当てはまる部分がある。
50年代にフランスで始まった映画運動、ヌーベルヴァーグ。
その手法を用いたロケ撮影がとにかくイイね。
母が知らない男といるのを目撃するシーン、少年審判所へ向かう護送車のシーン、ラストの海までのシーンなど、
風景が美しい。
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