このレビューはネタバレを含みます
軽い。
良くも悪くも軽い。
ただしこの軽さがなければ、ここまで流行しなかっただろうと思いました。
悲壮感と言うより、哀れさや救えなさを。
時折ユーモアを交え、重くならずに展開して行きます。
へロインを題材にしてるのなら、せめて禁断症状中の描写くらいは徹底的にやって欲しかったのが、正直な気持ちです。
リアルなドラッグ描写が趣旨ではない事は明確だけど、そこは重くしても良いと思いました。
当時は、ファッションやカルチャーからのフォローが多かった印象です。
劇中曲と場面のマッチングは最高です。
中でも「Born Slippy」の流れるラストは素晴らしい!
残念ながら大金を手にしただけでは、依存は治らない。
むしろ逆で、より一層ハマる事は明白です。
資産が無くなる状態の「底ツキ」を経て、初めてスタートできるかどうかでしょう。
正直、彼の未来は暗いと思いました。
でもラストを迎えた時の煌めき。
出し抜いて、大金をせしめた時のカタルシス。
流れる音楽の、音の響きと恍惚感。
今度こそは立ち直ってくれるんじゃないかと、期待を願わずにはいられないラストに、胸が熱くなりました。
もう1度だけ願うよ。
これが最後の1回だ。