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キー・ラーゴのほーりーのレビュー・感想・評価

キー・ラーゴ(1948年製作の映画)
4.5
【GはギャングのG】

エドワード・G・ロビンソンの憎たらしいほどの悪役演技が印象深い。

ハンフリー・ボガート&ローレン・バコール主演の映画『キー・ラーゴ』。監督はジョン・ヒューストン。

舞台劇を映画化したせいか、それとも監督がヒューストンだったせいか、映画的というより小説的なストーリーテリングに感じた。

でもかえってそこが堪らなく感じた。『黄金』や『キー・ラーゴ』はヒューストンでなければ、この味はでなかったと思う。

ハンフリー・ボガートの役柄は退役軍人で、ヨーロッパ戦線で戦死した部下の遺族が住むキー・ラーゴ島に赴くところから物語ははじまる。

部下の父親(演:ライオネル・バリモア)と未亡人(演:ローレン・バコール)に会って、彼の最期を伝えてすぐに発つつもりだったボガートだったが、何やら不穏な空気を感じる。

折しもホテルにはエドワード・G・ロビンソンら数人の怪しげな男たちと連れのアル中の女(演:クレア・トレヴァー)が滞在していた。

ただの宿泊客とは思えない。不審に思ったボガートの勘は不幸にも当たり、大嵐が近づくなかこのホテルを舞台に恐ろしい事件がはじまるというストーリー。

敵役のエドワード・G・ロビンソン。バスタブからあがって葉巻を咥える初登場シーンからして既に怖さ十分。

バコールに対して、卑猥と思われる言葉を耳打ちするシーンでのヤらしい表情も実に素晴らしい。

それでいて嵐がホテルに直撃して、建物の揺れや窓ガラスが割れる音にビクビクしだすのが、とっても人間臭くて面白い。

一方、ボガートは冷静で嵐にも微動だにしないのがカッコよく、ロビンソンといい対比になったと思う。

ちなみにこの1948年のアカデミー助演賞は女優が本作のクレア・トレヴァーで、男優が『黄金』のウォルター・ヒューストンと、同じ監督で別々の作品がそれぞれ獲得しているのが興味深い。

■映画 DATA==========================
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:リチャード・ブルックス/ジョン・ヒューストン
製作:ジェリー・ウォルド
音楽:マックス・スタイナー
撮影:カール・フロイント
公開:1948年7月16日(米)/1951年11月13日(日)  
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