桃色

アメノナカノ青空の桃色のレビュー・感想・評価

アメノナカノ青空(2003年製作の映画)
2.6
2008年以前に書いたブログ(もうとっくに閉鎖)からの転載。
自分用に記録として。
当時、この映画で初めてイム・スジョンさんとキム・レウォンを知ったのでその印象を書いてあって自分でも読み返したら笑えました。

--ここから
監督: イ・オニ
出演: イム・スジョン、キム・レウォン、イ・ミスク
原題: …ing
制作: 2005 韓国

韓国の「死にネタものラブストーリー」に食傷気味で飽きちゃったって感じは否めませんでした。だったらこの作品を選んで観に行くなって感じですが、そういう気持を振り払ってもみたかったのが主演のイム・スジョンという若い女優さん。彼女を見るだけで価値があったと思ってます(笑)広末涼子ちゃんが出てきた時のような感じかな。役にぴったりの儚げな線の細さが蜻蛉のようで、その彼女の微笑む顔はアイドルの作り笑いって感じが全くなくて本当の意味で「綺麗」と思える素敵な女優さんでした。
一方、相手役のキム・レウォンは韓国俳優では珍しく一発で名前を覚えられた名前の響きと同様に親しみやすさは◎です。雑に造形された反町隆史って感じだったような。この主役の二人の軽妙な会話(これも韓流ラブストーリーのお決まりだけど…)を楽しみながらイムちゃんの抜群の表情を追っていけば見た後の感動はちゃんと残る映画だと思いました。はい。(なのにいつもの辛口で星は2個だけどね)

ストーリーは詰まりません。死んで終わり。ただね、これはラブストーリーは二次的な伏線で本当は親子の絆の物語だと言うことをちゃんと感じさせてくれたところは感謝しましょう。まあ、ちょっと弱かったけどね。「スキャンダル」のイ・ミスクは今回ちょっと大根さんでしたけど、彼女をもっと生かす本が書けたんじゃないかなって思ってます。初監督作品だったイ・オニ女史に、あともうふた捻りぐらい有っても良かったと言いたいですね。

ネタバレになりますが最後に彼女の隠された左手が映ります。一貫して語られてきた「人とは違う少女」の大事なアイテムでした。その手が最期に大事なものをちゃんと掴んでましたね。ああいう演出はとてもとても好きだけど、その後のフィナーレに向けての収まりはかなり蛇足というか、いや…疑問さえも感じます。そんな宝物の一場面を彼女に恋をした青年がカメラに収めることまでは解ります。その時点の感動も伝わってくる。でもね、私なら発表しないだろうなぁ… たくさんの人に説明を求まられるだろうし、たくさん言葉にしていく段階で自分の思いも脚色されていくのが嫌だと思うから。大事な宝物は自慢さえもしないで大事に隠しておきたい。ねえ、そう思いませんか?
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