桃色

サムジンカンパニー1995の桃色のレビュー・感想・評価

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)
3.7
1995年韓国はグリーバル元年と当時の大統領金泳三氏により発令。
長年続いた軍事政権がとうとう消滅し、金泳三政権は文民政権と呼ばれ希望に満ちた始まり。
どうやら英会話スクールは朝から大賑わいだったとか。

私が大好きなイ・ソムさんが出てます。
彼女はモデル出身だけど結構な体当たりな演技もしてます。
「人魚伝説」のレビューで書いたけど、フルヌードのウソンさんと絡んだ彼女。
まぁ、妖艶な作品というより…よくウソンさんはこの作品に出たなって度肝をぬかれた「愛のタリオ」
そしてパク・ヘスちゃんはもう忘れられない「スウィング・キッズ」タップを踏んで家族を支えた健気な紅一点。
「グムエル」の印象が強いけどイム・シワンくんと共演した「戦場のメロディ」の孤児院の院長役が印象的なコ・アソンさん。

「高卒OL」という韓国の立場を見せつけられますが、いやいやこれはお隣韓国だけじゃないよと我が青春時代を振り返る作品でしたね。
女性社員を「お茶汲み」と呼んだ時代も、新年仕事始めに女子は着物で出社とまるで「綺麗どころ」扱いだった総合商社だってありましたよ。
OLにはなったことのない私でも、大学時代にはコンパの席を「綺麗どころ」扱いで移動させられたりしましたもん。
当時はセクハラなんて言葉もなくて抵抗する風潮が皆無…「しかたない」の諦めしかなかったのよ。
ああ、映画のことじゃない話に熱が入ってしまった…

では映画の話。

韓国には英語名というものが付けられているんでしょうか? そこのところちょっと調べてみましたけどどうやら勝手に付けていいようでしたね。
だったら私も何にしようかな…LINDAがいいかな(また余計な話…)

ドロシー(コ・アソン):実務能力の長ける気遣い女子。男性社員のコーヒーの好みを把握してる。
ミシェル(イ・ソム):発想力のと実行力のある女子。社長をCMに引っ張り出そうとアイデアを出す。
シルビア(パク・ヘス):数字の天才。辻褄合わせの改竄経理に辟易。
彼女たちも会社の高卒OL向けの英会話教室でカタカナ発音の英語を話してます。目標はTOEIC600点。
これはきっとわざとだと思いますけど、本当にひどい発音。
日本人は「R」「L」の区別をあまりしないのでスペイン語のRから始まる特別な巻き舌とか非常に下手ですけど…英語はそれほどここに苦労はしません。
高校卒業まではそういえば我々も実践英語は習ってきませんでしたけどね。まぁでも600点はそこそこの目標だと思います。

面白くなるのはドロシーが自社工場の廃液が流れる川の魚が大量死しているのを見つけたところから。
会社はその調査を改竄し、
マスコミにせっかく見つけた証拠を握りつぶされ、
検察に密告しようとしてもシャッターを下される(このちょい役検察官がなんとキム・テウさん)
結局、外資から出向のスパイ社長が諸悪の根源なので、弱体化させて乗っ取る手法はグローバル化のツケを払う形。
彼女たちの活躍は少数株主を説得することだったけど…実話が故にドラマティックさにはちょっと程遠かったな。

最後あのカタカナ英語の彼女たちがTOEICで600点をクリアした模様ですね。それぞれが「代理」になってハッピーに終わりますが…
アジア通貨危機から派生する韓国の通貨危機の1997年までもうまもなく。
OLたちの次の活躍も成功もいのるばかり。

1991年斗山電子が洛東江に有害物質のフェノールを廃流して問題になった実話を元にした映画とか。

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Kahoちゃんと同時鑑賞映画。
Kahoちゃんはたくさん韓国映画を見てる強者です。
私も実はFilmarks始める以前にドラマと映画を計400近くも観てました(他のアプリで管理中)
いつか多量にここに移動させたい気持ちもあるんですけど…映画の未レビューもたんまり…
でも、女の子の頑張る映画を2夜連続でレビューを書けて楽しかったです。
桃色

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