ゆん

フォーリング・ダウンのゆんのレビュー・感想・評価

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)
3.9
世の中のすべてにブチギレた中年男性が、あらゆる犯罪行為に手を染めながら別れた妻子のもとへ急ぐ。

犯人を追う刑事が退職のその日に、机の引き出しに猫のトイレ砂を詰められ皆から嘲笑われる、その後ケーキとコールガールを呼んで盛大な退職パーティーを開かれるなど、職場の狂いっぷりが凄まじい。唯一、バディの女性刑事がそれを知りながら普通に接してくるのも怖い。
この世界は全て狂気に支配されている。それは、ある日弾けて爆発するようなものではなく、我慢して我慢して我慢してじんわりとゆっくり侵食するように狂って壊れていくというものだ。
救いの無い話だけに、元妻子の非の打ち所の無い潔白さが異様だ。主人公を悪として引き立てる為だけの役に見えてしまうので、妻子にも泥をかぶって欲しかった。むしろ好みで言えば無関係の人間を妻子と思い込み追いかけるみたいな話の方が好きだ。それじゃホラーか...。
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