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美しきセルジュのRのレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
3.7
シャブロルは本作のあと何作も何作も観客の心理を巧みに操り、トリックで目をあざむいたり、驚かせたりする、毒気に満ちた作品をつくったことから考えても、実はこいつも、チグハグな描写の心地悪さを、わざわざ神聖な美談の枠のなかで展開させた、小意地の悪い作品なんちゃいますか、と。それでも、ラストカットのジェラール・ブランの表情にはジーンとくる。この変な気持ち…。て考えるとかなり実験的な作品なのかな。それにしてもセルジュは完璧や洗練ということばからは程遠い作りの粗い映画。それも当時追究された新しい演出なんだろうが、リズムに粗さがあるのはどうしてもあんま好きになれない。
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