ウサミ

タクシードライバーのウサミのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.2
国のために命を張った身ながら、帰ってきたその男を迎え入れたのは腐敗しきった社会とタクシードライバーというチンケな職業であった。

都会の華々しい景色を写しているのに、どこか孤独感を感じさせる。

社会への怒り、何をやってもうまくいかない情けなさ、己の存在意義を見出せないやるせなさや苛立ちが爆発し、男は狂人へと変貌する。

ロバートデニーロの表情や仕草、台詞の言い方ひとつひとつが印象的で、この人ひとりだけでもこの映画が成立するんじゃないかというほどである。

誰の心の中にも潜んでいる孤独感や怒りを体現したような存在のトラヴィスの姿を見れば、なぜこの映画が名作と呼ばれるかが理解できるはずである。
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