大林監督の映画を見ていると、行ったことのない街の風景が、何故か自分の故郷の様にとても懐かしく見えてくる
大林監督の青春映画を見ていると体験したことのない出来事が、何故か自分の過去のように面映ゆく思えてくる
普段人に晒すことのない、自分にさえも隠している、心の奥の無垢な襞をさわられているような恥ずかしさと心地よさ
大林映画が、他の監督の映画からは決して得られない、ナルシズムと背徳感と中毒性に満ちた強い陶酔を生むのはきっと、大人になりかけの身体と子供のままの心を持った少女に、エロスとタナトスのドラマを背負わせ、そこで発散する危うい匂いをフィルムに封じ込めたからだと思う
今回の転校生はまさに、その大林映画の真骨頂でありました