カズナリマン

ロードハウス/孤独の街のカズナリマンのレビュー・感想・評価

ロードハウス/孤独の街(1989年製作の映画)
3.7
パトリックスウェイジとスモールタウンカルチャーの魅力炸裂!

アメリカの独特なカルチャーが色濃い映画が好きなんですが、それが「アクション映画」として思いっきり出ちゃってるのがこちら。
大傑作でもないし、痺れるアクション映画ってほどでもないのに、アメリカのスモールタウンカルチャーの魅力(というか変なとこ)とヘンテコな価値観が炸裂し、ツッコミどころ満載なところがホント最高なんです。あ、あと、パトリックスウェイジのコンパクトなカッコよさ!

本作はいわゆる「バウンサー」という、お店の用心棒が主人公なんですが、主人公ダルトン(パトリックスウェイジ)はどうやら有名なバウンサーで、あっちこっちで姿を見せるたび「お前知ってるぞ!」と言われます。「えええ?バウンサーってそんな有名なの??」ってところが第一のツッコミどころなのですが、いいんです、ここはアメリカの田舎町。「お前、何中のヤンキーか!!」って言われるようなもんです、多分。
そんな有名バウンサー、ダルトンが田舎町のバーの店主にスカウトされるところからお話は始まりますが、街の大きめのバーで働いていたダルトンがなぜ片田舎のおっさんのバーに転職するのか??今の映画のように「実はそのオファーには裏があって…」「ダルトンは法外なお金をオファーされ…」「そこに昔の女がいて…」など、巧妙な理由はありません。「ただ困ってるおっさんに頼まれたから行く」そんな感じ。でのこの理由がなんともしっくりくるんですねーー、ダルトンというバウンサーのキャラとして!
こうして田舎のバーでバウンサーをすることになるダルトンがまずバーにやってきて、その惨状を知るのですが…
ここからが最高なんですよねーー、正直一番の見せ場です!前半なのに!
乱暴な客を圧倒的な技とパワーで黙らせ、不正を働くバーテンをクビにし、使えないバウンサー仲間を追い出します。こうして誕生するダルトン劇場!!
あとは「Be Nice(優しくしろ)」を筆頭にするダルトン3原則で、バーを街のならず者から守っていきます。
そうです!
地球を外星人から守るわけではなく、宇宙を大虐殺から守るわけではなく、バーを、街のならず者から守るんです!そのためには特別な武器も、奇策も必要なく、仲間たちとの協力と、ダルトンのまっすぐな拳で実行!
ひゃあ。なんてかっこいいんでしょ!
んでもって、途中ダルトンの相棒的な超有名一流バウンサー、ギャレットとしてサムエリオットが登場するのですが…こいつがまたカッコいい!髭面で、筋肉もなさそうだし、おじさんだし、カンフーも空手もできないけど、登場した瞬間に「どーーん!」と醸し出る「伝説のバウンサー」感!
ああ、ギャレットの若い頃のスピンオフ作らないかなぁー、誰か。絶対最高なのに!チビのダルトンとの出会いがあったり、ダルトンの過去にも触れられるだろうし…誰か頼む🙏

ちなみに本作公開当時、パトリックスウェイジはダーティダンシングで全米の女性を虜にし、ハートブルーで全米の男性を虜にしたばかり。もっと大きな映画のオファーもあったことでしょう。しかし、そんな大きなスケールの映画より、アメリカのスモールタウンカルチャーど真ん中な本作に出演してくれたことに、感謝したいと思います!

話はそれましたが「ロードハウス」はB級カルトアクションなので、ダルトンのカッコ良さと大規模過ぎないアクションの間に薄いハムのようなHなサービスシーンやスライスチーズのようなギャグシーンが挟まれたりします。
でもそんなのはどうでもいいんですな!なんたって本作の最大魅力は「Be Nice」ダルトンのかっこよさと、アメリカ郊外のぶっ壊れた(向こうからしたら普通)価値観なんすから!