カズナリマン

私ときどきレッサーパンダのカズナリマンのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.5
超感動!今んとこ今年ベストーー
そうです!スパイダーマンより、ザ・バットマンより、ゴーストバスターズより…ってアクション映画ばっか並べてすみません!が!とにかく、今年見たいろんなオスカー候補作品どれより面白かったし、クライマックスは超感動できましたーー😭

ストーリーとしては、
レッサーパンダの神様にお世話になった家系遺伝のせいで突然レッサーパンダ化する主人公、メイメイが友人たちに助けられ、母親との複雑な関係と自分の新しい姿に折り合いをつける物語なのですが…

これが、めちゃ深いんですよーー。
舞台はトロントで、主人公は中国系移民の家族をもつヲタク少女なのですが、北米に移住したアジア系移民の子供たちという設定がまずユニークなんですけど、13歳のヲタク少女というフィルターが素晴らしくて、これのおかげで全人類が共感できてしまうという!
少女が大人への一歩を踏み出す年齢に、突然体に舞い降りた変化に戸惑いつつ、それと折り合いをつけていく…という、男としてはあまり共通点がないネタもスーッと飲み込めてしまう、メイメイのキャラと彼女のヲタ友達との関係がめちゃよく描けてるんだなあ。
そんな少女の成長物語に欠かせないのが、母親との複雑な関係なのですが…この捌き方もすごくうまくて!
単なる毒親問題に矮小化せずに、母と娘の理想的な方向性を見せつつ、そこにこだわらなくていい許容さも見せてくれるというか…
まあとにかく、そんな一筋縄ではいかない問題をめっちゃ楽しめるエンタメに落とし込むピクサーの…いや、ドミーシー監督の手腕に脱帽っす!
監督やプロデューサーをはじめ、メインスタッフがほぼ女性というチームが作ったのだそうですが、女性チームならではの視点でテーマから離れず、いやむしろ、テーマを多面的に掘り下げつつ、しっかり楽しませるユーモアとさらにアクションまで!てんこ盛りで、なんとゆーかあっぱれ過ぎる作品に仕上げてます!
もちろん、女性のがより共感でき、楽しめるんじゃないかなと思うのですが、男性でも普通に笑って、メイメイと友人たちの冒険に寄り添えちゃうと思います!
あ、最後はきちんと感動できます。間違いなく!
それと、本作は2002年が舞台となっているのですが、主人公たちがアニメやアイドルに夢中なヲタクなのに全く恥ずかしそうじゃないというか、堂々としているのがすごく新しく感じましたねぇー。
スパイダーマンのピーターパーカーでさえ、イケメンなのに「ごめん、俺ヲタクだから」的に、教室の隅にいるのに比べ、メイメイたちは誰にどう思われようが知るか!な勢いで学校生活をエンジョイしてるんですよねー。その「仲間の中視点」で描かれる友情がまた新しくて新鮮でした。
らんまのパクリとか、中国贔屓とか、いろんなケチがあるみたいですが、見たらわかる唯一無二のオリジナリティを持った傑作ピクサーアニメ!
Disneyプラスでしか見れないのが残念ですが、1ヶ月1200円ぐらいで入れるので、本作見るためだけに入っちゃっても全然元が取れるかと!